地鎮祭とは、建築工事の安全祈願と、土地の神様に建築の許可を頂くために行う儀式的な行事です。
地域によっては地祭りや地祝いとも呼び、さらに神式と仏式がありますが、ここでは一般的な注文住宅の地鎮祭についてご紹介します。
地鎮祭って何をすればいいの?
地鎮祭は、建築工事の安全を願う行事のため、土地を購入した後、かつ建築に入る前に行います。
なお、地鎮祭と対になる「上棟式」というものがありますが、ここでは割愛します。
地鎮祭の流れ
一般的な地鎮祭の流れは下記の通りです。
2.修跋の儀 (しゅうばつのぎ、しゅばつのぎ):参列者やお供え物を清めます。
3.降神の儀 (こうしんのぎ):神様をお呼びします。
4.献饌 (けんせん):神様にお供え物を捧げます。
5.祝詞奏上(のりとそうじょう):建物をたてることを神様に報告し、安全をお願いします。
6.切麻散米(きりぬささんまい):土地のお清めを行います。
7.地鎮の儀 (じちんのぎ):刈初めの儀、穿初めの儀、土均しを行います。
8.玉串奉奠 (たまぐしほうてん):神様に玉串を奉り拝礼します。
9.撤饌 (てっせん):お供え物を下げます。
10.昇神の儀 (しょうじんのぎ):神様にお帰りいただきます。
11.閉式の辞(へいしきのじ):地鎮祭の終了です。
12.神酒拝戴 (おみきはいたい):お供え物をいただきます。
自分がやることはない?
聞き慣れない言葉が並んでおり難しそうな印象を受けますが、あなたが担当するのは「地鎮の儀」と「玉串奉奠」のみです。
そして、やることも大したことではありません。
まず、「地鎮の儀」では、神前に設けられた草やススキを立てた盛砂に対して、「刈初(かりぞめ)」(その土地で初めて草を刈る)、「穿初(うがちぞめ)」(初めて土をおこす)、「土均(つちならし)」(初めて土をならす)を行います。
それぞれ建物の設計者、施主(あなた)、建築会社の三者で分けて行いますが、施主とその配偶者、その子供で分ける場合などアレンジが可能です。
実際には神職からちゃんと指示がありますので、心配ありません。
最後に神職が鎮め物を納めます。
「玉串奉奠」では、参列者全員が玉串を神前にお供えをします。
この時、玉串の持ち方やお供えする方法などが神職から説明されるので、説明通りにやれば問題ありません。
地鎮祭の準備をしよう
地鎮祭の準備にあたり、用意するものや注意しておきたい点をご紹介します。
また、気になる地鎮祭の費用についてもここで触れておきます。
日取りはどうすればいいの?
宗教的観点でいうと、神道で行う地鎮祭には、吉日は関係ありません。
ただしこういった神事は、慣れ親しんだ六曜にならって大安の午前中に実施するケースが多いため、そういった日を選ぶ場合は早めに神社に予約状況を確認することをおすすめします。
外で行う行事のため、六曜を気にしない場合は、天気のよい日を選びましょう。
準備するものは?
すべて工務店やハウスメーカーに準備してもらえる場合もありますが、施主が準備する物は、主にお供え物です。
◆山の幸(果物):季節のものを1~3個。
◆海の幸(魚):1匹。鯛が一般的ですが、ほかの魚でも問題ありません。
◆お酒:一升瓶 のし紙をつけましょう。名目は奉献になります。
◆米と水と塩:それぞれ、一握り程度
服装は?
神事のため、一般的な正装が望ましいと言えます。
ただし、個人の場合はそこまでこだわる必要はありませんので、事前に工事関係者、および神職と相談して決定しておくとよいでしょう。
必要になる費用は?
ここまでの紹介で、なんとなく金額の規模はつかめている可と思いますが、改めて紹介いたします。
お車代:約5千円。
お供え物の代金:5千円~1万円程度。
地鎮祭の設備のレンタル費:3~10万円。規模やレンタル会社によります。
なお、地鎮祭は工事の安全等を祈願するための式であり、工事関係者の労をねぎらう式ではないため、参列して頂いた関係者への祝儀は必要ありません。
ただし、直会(工事関係者との乾杯の席)を準備する場合には、その費用が必要となります。
まとめ
いかがでしたか。
地鎮祭について、最低限必要な知識は得られたことと思います。
お金が思ったよりかかると思ったかもしれません。
そういった場合は、地鎮祭は儀式的なものであるため、省略することが可能です。
しかし、工事業者からすれば、地鎮祭は安心して工事を行うための行事であり、施主にとっては数十年お世話になる土地の神様に挨拶をする大切な行事です。
特別な理由がない限りは、実施しておくことが望ましいのです。
地震等で家に被害が出た時に、「あの時地鎮祭をしておけば・・・」と思うことのないようにしたいですね。